アザラシが私を見て笑う

アザラシスマイル

看護師である私の、訪問看護での気付きを紹介します(^ ^)

みなさんは突然、「アザラシが私を見て笑う」と相談を受けた時、どのようにいたしますか。

私は、アザラシがその方を見て笑う事態を否定せず、どんな気持ちだったのか、辛いことがあったのかなど、しっかり寄り添うようにしています。

精神科に関わった頃の私なら、アザラシなんていませんよと正気に戻そうとして、相手を否定していたかもしれません。 その時の私には、否定せず相手の世界観を受け入れて、そこから本人の気持ちを追体験することの大切さを分かりませんでした。

精神疾患の一部の方は、時折、非現実的な光景の中に生きることがあります。時には非現実の光景に行って、自分を整えていることもあります。
私たち医療従事者にとって、アザラシがいるかどうかではなく、アザラシを見ているその方と向き合うことが大切です。

だから「アザラシが私を見て笑う」と不安そうに言うので、私は手を握り背中を摩って寄り添いました。
それからというもの、アザラシの話は出てきません。

看護業務は技術や知識を伴うものですが、まず本人を大切にするという姿勢を忘れなくないものであります。

 

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